こんにちは、渡辺まみです。
先日、手塚治虫作品の『海のトリトン』を読みました。

漫画版とアニメ版とでストーリーが違うそうなのですが、
漫画版の感想を書いていきます。

海のトリトンを読んだことがない人へ


手塚治虫といえば『ブラック・ジャック』や『鉄腕アトム』ですが…
『海のトリトン』という漫画が面白い。と聞いて読み始めました。


一言で言うと、地頭が良くなる漫画だなぁ…という感想です。
小学生くらいの頃に読んでいたかったなぁ。
学校のお勉強よりも大切な勉強ってこういうことだよね。と思いましたね。


簡単に言えば、戦争がテーマのファンタジー。

海に住む一族の
トリトン族vsポセイドン

という2つの勢力の戦いの物語です。

戦争モノですが、
ずーんと重く残るような戦争モノではないです。

こんな可愛い人魚の赤ちゃんなんかもでてきて、
サクサク読めます。


まだ読んだことがない人は、
『スター・ウォーズ』と比べてぜひ読んで欲しいです。

なぜスター・ウォーズなのかという話ですが、
スター・ウォーズと海のトリトンは、
物語として真逆の見せ方だな。と思ったんですね。


『スター・ウォーズ』は、
反乱軍(善)vs 帝国軍(悪、ダークサイド)

と、はっきりと良い奴と悪い奴が分かれている。
善悪二元論の構造になってます。


ちなみに、ハリウッド映画には
善悪二元論のものが圧倒的多数です。

ヒーローが悪者をやっつける。という物語ですね。

単純で分かりやすい。
ゆえに、大衆ウケも良い。

ゆえに…
善悪二元論という構造は、
映画に限らず、ときの為政者が大衆を動かす際にも使われていたりします。

太平洋戦争の時代でいえば、
日本=善
アメリカ=悪
といった価値観をプロパガンダにより国民に刷り込みまくっていたわけですね。


このように
良いか悪いかは別として、
善悪二元論には、人を動かすパワーがあります。


プロパガンダにより一般市民が、
「俺らは良いやつだから、敵をやっつけるためなら殺しても良い。殺せ殺せ」
という価値観になっていく。

そこに疑問を投げかけたのが『海のトリトン』です。


手塚治虫の『海のトリトン』の描かれ方


一見、
トリトン族(善)vs ポセイドン(悪)

と、分かれているように見えます。

トリトン族とポセイドンは争っていて、
トリトン族は「ポセイドンは僕らを皆殺しにした悪いやつだ」と戦っている。


ですが、よく読んでみると…
むしろ単純な善悪二元論に疑問を投げかけているのが分かります。

ss-318

トリトン
「ポセイドンはわるいやつだ! トリトン一族のかたきなんだぞっ」

カメのガノモス
「たしかにおまえにとってはそうだろう
だがな…世の中は よいもの わるいものが
簡単にわけられるほど 単純な世界ではないぞ」


このカメの言葉が、
手塚治虫氏が読者に一番伝えたいメッセージなのでは?
と私には思えました。


戦争というテーマを見たときに、
俺らの国=善
敵の国=悪

と考えるのはたやすい。

たやすいけれど、
相手の国にとってもまた

俺らの国=善
敵の国=悪

なわけで、
お互い許し合わない限り争いはなくならず、
共倒れの道を歩むぞと。

そういったメッセージを感じました。

と同時に、
許し合うって、言葉で言うほど簡単なことではない
という現実的な面にも手塚治虫氏は触れています。

信頼する仕組みがお互いを豊かにするということ


物語の後半で、
トリトン族とポセイドンは、
人間という共通の敵を目の前にして手を取り合うことを約束します。

人間をやっつけるためなら、
敵同士手を組もうじゃないか。というわけです。


共通の敵が現れると、
いがみ合ってたやつが仲良くなる。というのは物語の定番のシーンですね。


ですが、結局はお互い信用していたのに、
ポセイドンがトリトンを裏切って、
最後は共倒れしてしまう。


敵同士手をとりあえたら理想だけど、
現実なかなかうまくいかないよねーというところですよね。


私は幸い戦争からは遠い世界にいますが、
信用。というテーマからみると、
資本主義の世界に生きている以上めちゃめちゃ重大なテーマです。実は。


敵同士が手を取り合うって、
戦争に限らないテーマなんですよね。


例えば、
当たり前のように日本では福沢諭吉の1万円札を使えば
服でも、食料でも、手にはいりますが、
これも信用なしには成り立たない取引です。


それから、
治安。

電車で日本人は当たり前のように居眠りしますが、
外国人からみたらびっくりされることがあります。

寝てる間にカバンをとられちゃうだろ!と。

それくらい日本は治安が良いということなんですが、
電車に乗ってる人同志がお互いを信用できているわけですよね。


信用のある世界というのは、
平和であり、
貨幣での取引が成り立つので、
経済的にも豊かになっていくわけです。


隣人を信用できず、
いがみ合っていたら、
暮らしがきゅうくつになるのは容易に想像できますよね。


この信用をどう形成するか?
によって、私たちの豊かさは決まります。


国全体の話はもちろん、
個人同士でもそうですね。

人から信頼されている人は、
友達が多かったり。
お客が多くて儲かっていたり。

豊かな人生を歩んでいることが多いよなーと思いますが、
それも信用形成のメカニズムを知っているか?にかかっているんですよね。


個人としても、
国としても、
いかに信用・信頼の仕組みを形成していくか?

を、追求していくことが、
より豊かな人生につながっているのかなーと考えさせられました。




『海のトリトン』で思ったことをまとめると、

・戦争を単純な善悪二元論で語ることへの問いかけ。相手は悪なのか?
・いがみあっている相手を許す難しさ
・お互い信用する難しさ

といったところですね。

あと、
人魚の赤ちゃんが可愛すぎる、、、


手塚治虫作品はまだまだ読み切れていないので、
どんどん読んでいきたいですね。
楽しみです。






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